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海外と比べた日本のICT使用状況

 近年、学校でのICT活用が積極的に推進されていますが、海外と比べた日本の取り組み状況はどうでしょうか。国際的な学習到達度調査・PISAの「ICT活用調査」の結果に注目し、諸外国と比較した日本の教育の様子を見ていきたいと思います。

 2022年に行われたPISAの最新の調査結果を見ていきます。PISAはOECDが行う国際的な調査で、高校1年生にあたる15歳の生徒を対象に実施されています。

 ICT活用調査の「学校でのICTリソースの利用しやすさ」の項目で、本調査に参加したOECD加盟国29か国の中で日本は「5位」となりました。

 具体的には「インターネットに接続できるデジタル機器が十分にあるか」「先生は教えるときにデジタル・リソースを使おうとしているか」「デジタル・リソースを使うために十分な技術的なサポートがあるか」といった9項目(下図参照)の回答割合から、指標値を算出。「インターネットが十分速いか」という設問には約5割の生徒が「その通りでない・まったくその通りでない」という回答でしたが、これ以外の8つの項目では肯定的な回答が大半を占めました。

OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022のポイント(P16)より

 また「数学の授業でデジタル・リソースを使っているために気が散る、あるいは他の生徒が使うために気が散る」という項目に対して、「いつもそうだ・たいていそうだ」と回答した割合が、日本は全参加国の中で1番低く、授業中のICT機器の利用により注意散漫になることが、OECD諸国と比較すると少ないという結果もみられました。デジタル機器を使いながらも、日本の生徒は授業に集中して臨めているようです。

OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022のポイント(P17)より

 一方で、「授業でデジタル・リソースをどれくらい利用しますか」という項目に対して「すべての授業、又はほとんどすべての授業」あるいは「授業の半数以上」と回答した割合は、国語、数学、理科のいずれの教科でも、OECD平均より低い結果でした。

 加えて「情報を集める、集めた情報を記録する、分析する、報告する」といった探究型の教育の頻度もOECD平均を下回りました。

OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022のポイント(P17)より

 各国がどのようにICTを活用しているかを参考にし、取り入れられることがあるかもしれません。文科省が諸外国におけるデジタル教科書・教材をめぐる状況についてまとめている資料もあります。各国の基礎情報や特徴を知ることで日本の教育環境について改めて考えるきっかけになりそうです。

諸外国におけるデジタル教科書・教材の使用状況について

 今回はPISAの調査を中心に日本と海外の状況を比較しました。PISAは概ね3年に1回実施されており、今年がまた実施される年になっています。前回調査が行われた2022年以降、ICT環境の整備はさらに進んでおり状況はまた変わっています。どう変化として現れるか、次回のPISA2025の結果に注目したいです。

【コラム執筆】
EduHubWEBコラム担当者