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東京書籍株式会社インタビュー~「令和6年度小学校学習者用デジタル教科書」のおすすめポイント~ No.3

 2024年7月18日(木)に対面にて、東京書籍株式会社のICT制作部で算数制作を担当している菊地智彦さんと英語制作を担当している山下和穂さん、DX企画部の清遠和弘さんに令和6年度小学校学習者用デジタル教科書についてインタビューさせていただきました。(前回までのインタビューNo.1No.2

先生だからこそできる、学習者用デジタル教科書活用の工夫

清遠さん
 先生がいらなくなるとは思っていません。東京書籍では、先生と生徒がデジタル教科書を活用し、「こうこうこうやったら長方形に近づいていくよね」「もっと細かくしたらどうなると思う?」というように、対話をしながら学習を進めていくということを想定して、コンテンツを設計しています。そのため、収録しているアニメーションやシミュレーションコンテンツも、「ただ見たらわかる」というようなものには必ずしもなっていません。

 また、小学校4年生の算数で、L字型の面積を求める求め方を考える時に、楽しいのでとにかく図形を切りきざむ子どももいます。また、ひとマスずつ切っていって並び替える子どももいます。それ自体がダメなわけではありませんが、その考え方ではその先の学習につながらない。そのため、先生が「図形を切るのは3回まで」というように回数を制限することで、子どもが学習に専念できるような工夫を行ったという話を聞きました。これを教科書会社側で「切るのは3回までにしましょう」というように制限するというのは違うと思っています。こういった工夫ができるのは、先生だけです。

山下さん
 今の流れとして、より学習者にゆだねる方向になっていくであろうと思っています。1人では学べない子どもが出てくるというのも確かにそうだと思いますが、そういう時に先生が、手綱をもつのか?伴走していくのか?については、また違う観点ではないでしょうか。授業の形は変わっていきますが、先生の仕事が無くなるわけではないです。また、どのような時もデジタル教科書やその中のQRコンテンツでサポートしていきたいと思っています。

清遠さん
 学習者用デジタル教科書は子どもたちのものであってほしいと思います。先生にとって使いやすいということではなく、子どもたちにとっていいものであってほしいです。

 学習者用デジタル教科書と言いながらも指導者目線で作っている部分もあると思います。そのため、この辺りの意識を変えていきたいですし、先生の意識も変えてほしいというのが正直なところです。

 例えば、素材としては子どもに全部渡して、子どもがどう使うのかを任せてもいいのではないでしょうか。「これはダメだよ」となった時は先生が制御するという方法もあります。最初から「子どもたちが、ずるをする」「子どもたちはできない」と決めつけて制御するのはどうなのかとは思います。

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菊地さん
 全部読んでほしいと思っていますが、オススメは、「ICT教育の今」というコーナーです。小学校のデジタル教科書関連の記事が出てきます。デジタル教科書の活用と考えるとこの記事がオススメです。

 また、全国各地の写真を集めて作った「算数数学フォト」は、「みつける算数」のタイトルで書籍化されました。

山下さん
 全部読んでほしいと思っていますが、「デジタル教科書ガイドブック」がオススメです。英語の指導者用デジタル教科書・学習者用デジタル教科書両方の内容が情報がギュッと1冊にまとまっています。このインタビューでお話した、基本機能、オススメコンテンツ、使い方が掲載されています。

菊地さん
 算数の学習者用デジタル教科書は、半分の学校で導入されているので、まず先生方に「使ってもらいたい」と思っています。文部科学省の調査で、「デジタル教科書を使用した期間が長い先生ほど、使用頻度が高まっている」という結果が出ていたので、先生方にまずは使ってもらうことで、使い方が分かるようになると考えています。
※令和5年度大規模アンケート調査等の実施による学習者用デジタル教科書の効果・影響等の把握・分析等に関する実証研究事業成果報告書P.24

山下さん
 100%授業をデジタルでやってほしいと思っているわけではありません。デジタル教科書の中で、授業で使いやすいコンテンツを取り入れてもらうだけでも良いのではないかと思います。初めは掲載されているコンテンツで取り入れられるところだけ取り入れるという形が良いと思います。

 導入時は、10分~15分でいいので、先生がまずは触ってみるということが大切ではないでしょうか。例えば、「デジタル教科書のこの青いボタン(紙面上の学習者用リンクボタン)が押せる」ということが伝わっていないこともあります。先生方が、自由な気持ちで触ってみるということをしてもらえると、新たな発見があると思います。

【コラム執筆】
EduHubWEBコラム担当者