2024年6月28日に成城学園初等学校を訪問し、宮田諭志 先生が担当する5年葵組の社会の授業で帝国書院の学習者用デジタル教科書・教材セット『楽しく学ぶ小学生の地図帳』を活用している様子を参観させていただきました。
宮田先生はこの日の授業で、「葵組の子どもたちが旅行先としておすすめする都道府県」と、「3万人が回答した地域ブランド調査の観光に行きたい都道府県ランキング」を比べて、子どもたちの身の周りの経験からのアンケートと一般でのアンケート結果とのズレから問いを生むことをねらいとしていました。
宮田先生は学習者用デジタル教科書・教材セット『楽しく学ぶ小学生の地図帳』のアンケート集約地図化ツール「まっぴん」を使って、葵組の子どもたちが旅行先としておすすめする都道府県を地図化して子どもたちに見せていました。

宮田先生は事前に宿題として、「みなさんが国内旅行でおすすめする都道府県(市区町村)はどこですか。おすすめする都道府県(市区町村)を選んで、その理由(おすすめする場所や食べ物、体験など)を補足に書きましょう」というアンケートをまっぴんで子どもたちに出していました。子どもたちに回答してもらった「おすすめの都道府県」と「おすすめする理由」は、まっぴんで簡単に地図上に集約することができます。
先生が使う「まっぴん for Teacher」の画面で、子どもたちに入力してもらったアンケートの回答を一覧で見ることができます。宮田先生は、子どもたちが書いた「おすすめする理由」をスクリーンに映しながら紹介していきました。
アンケートに答えた子どもたちは、「沖縄県。石垣島は海がきれいだし、パラセイリングで海の上を飛ぶ体験ができる」「高知県。四万十の水がきれいでラフティングもできる」「愛媛。松山空港にオレンジジュースが出る蛇口がある」というふうに、まっぴんで書いたおすすめの都道府県とその理由を発表してくれました。

まっぴんでは、子どもたちに回答してもらった都道府県を集計して地図化することで、アンケート結果を簡単に可視化することができます。
「まっぴん for Teacher」で子どもたちの回答内容をチェックして、地図に反映する回答を選んで「地図を配信」ボタンを押すと、回答数の上位5位までの都道府県が塗られた地図が表示されます。
葵組の子どもたちが答えたアンケートから出力したまっぴんの地図では、1位の沖縄(10票)が赤く、2位の北海道・青森県・千葉県・三重県(各2票)にも色が塗られています。まっぴんでは、5位までは違う色で地図が塗られます。

まっぴんの地図上で都道府県をクリックすると、その都道府県を選んだ人の書いた理由を読むことができるので、葵組のみんなが選んだ都道府県がどこなのか、なぜそこをおすすめしたのかを、自分で読むことができます。

宮田先生はここで、「葵組では沖縄県をおすすめした人がいちばん多かったんですけど、日本のどこに行きたいかをきいた、観光に行きたい都道府県ランキングというアンケートがあるんです」と言います。「全国で約3万人が回答した、2023年度にとった最新のアンケートで、1位はどこだと思いますか?」とみんなと予想していきます。子どもたちから沖縄、北海道、東京、京都…と予想する声があがっていましたが、宮田先生が「1位は北海道でした」と発表し、さらに15年連続で1位であることを示すと、子どもたちからは「えー!」と大きな声があがります。
「なんで、“えー!”なの?」と宮田先生が質問して、子どもたちに北海道の魅力を考えて発表してもらいます。子どもたちからは「北海道は冬だとスキーができる」「じゃあ、夏は?」「魚がおいしいよ」「時計台もあるよ!」「でも、デメリットもあるじゃん」というやりとりをしながら、宮田先生は黒板にまとめていきます。
宮田先生は「なぜ北海道は15年連続1位?」という問いを子どもたちに投げかけます。
子どもたちは、「ご飯がおいしい。スーパーで北海道でとれたじゃがいもとかを見かける」「北海道に行ったことあるんだけど、ちょっとのんびり感を感じられる。札幌だと東京と変わらないけど、そのバランスがいい」「スキーの雪が、パウダースノーですべりやすい」など、子どもたちは自分の経験から知っている北海道の良いところを発表していきます。

ここから、子どもたちの自分の経験だけでなく、より広く北海道の魅力を知るために、教科書、地図帳、資料集、iPadを使って調べていきます。検索キーワードに「なぜ北海道は人気なのでしょうか?」と入力して調べて、そこから教科書や資料集のページを開いている子もいました。さまざまな教材を行き来している様子が印象的です。

子どもたちが北海道について調べている途中で、宮田先生はクラス全体の進捗具合を確認して、「何を使って調べたいと思ってる?」と質問していました。「地図帳」と答えてくれた子に「何ページに北海道は載ってた?」と訊くと、「71ページ」と言うので、それを黒板にメモしてクラス全体に伝えます。その他にも、「資料集も使えるね」「教科書にもあった?どこにあった?どんなことが書いてあった?」と、葵組のなかで誰かがしている学び方・調べ方をクラス全体に共有していきます。

そこから先は、子どもたちが教科書・地図帳・インターネットの情報などを行き来しながら北海道について調べるのを、宮田先生がサポートしていました。「こんなの書いてあった!」とみんなで教え合いながら学んでいる様子が印象的でした。

授業の最後に、観光地としての北海道の魅力としてわかったことを発表してもらいました。発表する子の一人が「みんなに見せたいのがあるんだけど、ミラーリングしていい?」と訊くと、みんなが「いいよー」と答えたので、手元のiPadで調べた北海道の動物の写真をAirPlayでスクリーンに映してみんなに見せながら、北海道の自然の魅力を発表していました。

最初は、自分の経験からおすすめの都道府県を書いて、そこからまっぴんで地図化された葵組のアンケート結果を見てクラス全体のアンケート結果を見て、さらに3万人が答えるアンケートを見て、だんだん得られるデータの範囲が大きくなっていく授業設計がおもしろいと思いました。
自分の経験だけでなくて他の人はどう思っているのかを知ることも、自分が経験していないことについても教科書やiPadを使って調べることも、子どもたちの世界を広げることに繋がっていくと思いました。
機能紹介:まっぴんでアンケート結果を地図化して表示
まっぴんを使って、子どもたちに出したアンケートの結果を地図上に色を塗って表示することができます。都道府県をクリックすると、その都道府県を選んだ理由を一覧で読むことができます。
フューチャーインスティテュート株式会社 / 教育ICTリサーチ 為田裕行



